11月11日とは

11月11日。
かの有名なお菓子の日とされた年に一度の祭典は、同じく年に一度ある二月ほど大きな騒ぎにはならない。しかし全く楽しみにされないわけでもなく、スーパーやコンビニのお菓子売り場では特設売り場が設置される。
S.O.N.Gの帰りに立ち寄ったコンビニも例外ではなく、レジの前にエンドコーナーにずらりと並べられていた。その売り場の前で響は悩む。
「今年はどれにしようかなー」
スタンダードな赤い箱、粒々の苺が美味しいぴんくの箱、一本一本は細いけれど沢山入っている白い箱、冬限定のふんわりココア味のブラウンの箱。
どれも美味しくてどれも響が好きなお菓子だ。そして未来も好きなのも知っている。
「んー」
去年はどの味にしただろうか。スタンダードな赤にした気がするが季節限定に負けた気もする。首を傾ぐがぼんやりとしか思い出せない。迷った手が赤い箱を取る。
「定番は外しちゃだめだよね」
ぴんくの箱も取る。
「未来と一緒に食べるし二箱あってもいいよね」
二箱あっても一人で完食できる自信はある。けれど今日は二人で食べる事を意識して、未来が好きなイチゴ味も響はチョイスした。
そしてもう一つ。
一緒に並んでいた、幼い頃によく食べた似て異なるお菓子も響は取った。
「ばっちりばっちり」
スタンダードな赤い箱、未来が好きな粒々の苺が美味しいぴんくの箱、遊び心で選んだ円筒の箱。
三つのお菓子を手にして揚々と響はレジに向かった。

 

「たっだいまー」
「お帰りなさい、響」
「未来、ただいま」
玄関まで迎えに来た未来に笑って響は手に持っていたコンビニの袋を掲げる。
「今日はお土産があるんだ」
「お菓子でしょ?」
「ほぇ? なんでわかるの?」
「今日は11月11日だもん」
去年も一昨年も一緒に食べたことを思い出して未来は微笑む。しかし響は負けなかった。したり顔で言う。
「ところがね。今年は一味違うんだよ」
「味が?」
「そうじゃなくて」
冷静なつっこみを手で否定して、コンビニの袋を探る。出てきたのはスタンダードな赤い箱、未来が好きな粒々の苺が美味しいぴんくの箱。
そしてもう一つ、遊び心で選んだ円筒の箱。
「響、最後のこれ……」
「似てるし買ってきちゃった」
似てると言えば似てる。似てないと言えば全然似てない。定番の二つは封を切って口に運ぶだけだが、三つ目のソレはディップになっており、クッキーの棒にチョコクリームを付けて更にクラッシュされたカラフルなラムネを付けて食べるお菓子だ。
「小さい頃によく一緒に食べたよね」
未来も覚えている。半分こして食べた後の余ったチョコレートに他のお菓子を付けたり、ラムネだけで食べたりした。遊びながら食べられる子供心を擽るお菓子で未来もいまだに好きである。だが11月11日に合っているか聞かれるとちょっと違うと未来は思う。制定したメーカーのお菓子でもなかった。
しかし響は気にならないらしく、嬉しそうにそのお菓子から開ける。
お菓子は太めのクッキーの棒とチョコクリームとクラッシュラムネに仕切りで三つに分けられていた。久しぶりのお菓子だったが幼い頃と変わっていない。しいて言うならパッケージのパンダが可愛くなっているくらいだった。
クッキーの棒を一本取り、響がディップに浸す。それからラムネでデコレーションする。
「未来、あーんして」
カラフルになったクッキー棒をおずおずと未来は咥えた。甘めのチョコと微かな酸味があるラムネの味が口の中に広がる。懐かしい味だった。
「どう?」
「……美味しい」
「だよねー」
嬉しそうに笑って、響もクッキー棒をデコレーションして食む。ぽりぽりと小気味良い音共に棒が吸い込まれていく。クッキー棒はそんなに多くない。二人で食べると数分で空になった。チョコクリームとラムネが余る。
「響、クッキーあるけど付けて食べる?」
「うん。食べる」
幼い頃の食べ方をそのままに。最後まで楽しもうと未来が立ち上がりかける。だが響は止めた。
「食べるけど、その前に」
スタンダードな赤い箱の封を切って、響が一本咥える。咥えたのは持ち手である筈のクッキー側。
「今日はなんの日だ?」
挑発するような微笑みと誘うような文句。
一変して大人になった響の口元でゆらゆらとチョコレートが揺れた。

響×未来
ペニーワイズの利便性

久しぶりの二人っきりの旅行。一泊だけど任務のない羽根伸ばし。S.O.N.Gが用意するホテルとは異なる …

響×未来
保護中: 昨夜はお楽しみでした (18禁 (御礼リク))

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響×未来
保護中: かぷかぷしてる (みくひび 18禁)

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