HOME > Archive: 4月 2009

Archive for 4月, 2009

拍手レス(09/04/21)

火曜日, 4月 21st, 2009

>ツバキ様
うちのはやてさんとリンディさんが好きですか!
ありがとうございます!!
って、ものっそい勢いでフリーダムなお二人ですが(^^;喜んで頂けているなら嬉しいです。
ハラオウン家の皆さんはきっとフェイトさんを猫可愛がりしてたんだろうなぁというイメージが自分の中であるので、ただの紹介がえらい事になってしまいました(主にクロノ君が)
果たしてご希望に応えられているのか戦々恐々としていますが楽しんで頂けたら幸いです。
あ、アルフは子供達の相手をしてました。
はい。最初からそのつもりでした。ええ。本当に(忘れてたなんて言えない)
そして、そして。本までご購入して頂けてるとは!( ̄□ ̄;)!!
ありがとうございます!!おいらの泥船も沈みっぱなしですが(爆)「はやての苦労」も何だか続けなきゃいけない事になってきてるので続きます(笑)
これからも宜しくお願いしますm(__)m

>アイル様
後編の予定が中編になってしまいました(笑)
ハラオウン家のみなさんがフリーダム過ぎて、おいらの手に負えませんでした。
とことん突っ走らせたらこんな事に……。
フェイトさんは基本的に控え目な方ですからねー。だからこそ周囲が暴走する位の勢いがあった方がしてバランスが取れてる気もします。
なのはさんは暴走すると、ある意味ハラオウン家の皆さんより厄介ですけど。
これからもうちのフェイトさんはきっとへたれ街道まっしぐらです(笑)
そんなんでも良ければこれからも宜しくお願い致しますm(__)m

>お名前無記入様
おお!
貴重な逮捕ファンだ!(言ってて寂しいな)
わざわざこんな辺鄙な所までようこそm(__)m
また拙いお話を読んで頂けてありがとうございます。
夏実と美幸は良いですよね!
名パートナーがしっくりしてて、自分も大好きです。
告白場面ですか?
自分も告白話は書きたいと思ってるんですけど、如何せん、鬼のように長くなるのが目に見えてるので、これがなかなか(^^;
でも、何れコピー本という形で出したいとは思ってますので、長い目で待って頂けたら嬉しいです。
これからも、ぼちぼちと書くと思いますのでどうぞ宜しくお願いしますm(__)m

他、沢山の拍手をありがとうございました!

リリカルなのは なのは×フェイト

火曜日, 4月 21st, 2009

リリカルなのはの、『なのは×フェイト』にSSを追加しやしたー。
タイトルは。
『VSハラオウン家(後)』
だす。これでハラオウン家のどんちゃん騒ぎはおわりです。
今から拍手レスも行います。

VSハラオウン家(後)

火曜日, 4月 21st, 2009

「母さん?」

「リンディさんが、私とフェイトちゃんに、ですか?」

「ええ」

 フェイトとなのはは顔を見合わせた。

 何となく。

 本当に何となくだけど、先日のラウンジを彿させる笑顔をリンディは

浮かべている気がフェイトとなのははする。

「場所は何所が良いかしら?」

 言って、何枚かのパンフレットをリンディはテーブルに並べた。

 パンフレットは、華やかに色とりどりの花で描かれた物もあれば、逆

にシックで清楚な雰囲気を押し出している物もあり、文字通り様々だ。

 ただ、フェイトには一目では、何のパンフレットなのか解らなかった。

「母さん、これって何のパンフレットなんですか?」

「やあねぇ。結婚式場のパンフに決まってるじゃない」

「けっ!」

「結婚式場っ!?」

 思わず耳を疑ったフェイトと同時に声を上げたのはなのはではなく。

 何故かクロノだった。

「フェ、フェイト!なのはとの話はもうそんな段階まで進んでたのかっ!?」

「し、知らないよ!私だって初耳だよっ!!」

 今日はなのはを紹介するという話までで、こんな相談があるなんてリ

ンディから一言もフェイトは聞いていない。

 なのに、リンディはさも当然のようにパンフレットを開いた。

「やっぱり第1候補は聖王教会かしらね。色々とご縁もあるし」

 小首を傾げるリンディに、エイミィが右手を上げる。

「私も賛成です。ヴィヴィオちゃんの事もありますし。それになのはちゃ

んとフェイトちゃんの結婚式なら色々とサービスもしてくれそうですし

ねー」

「そうねぇ。カリムさんやはやてさんに一度きちんと聞いてみようかしら」

「それ、いいですね」

 和気藹々と当人を置いて、リンディとエイミィは話はどんどん膨らむ。

「ちょっ!母さん!エイミィも!勝手に話を進めないでくださいっ!」

 他人の手で発展する自身の未来を、叫んでフェイトは止めた。

 しっかりパンフまで用意しているのだから、リンディとエイミィは本

気だろう。

 フェイト自身、何時かは…とは考えていたはいたが、それは今ではない。

 少なくとももう数年先、もっと生活を落ち着いたら、なのはにそれと

なく話をしてみようかとぼんやり考える程度だった。

「あ、なのは……」

 あまりの驚きに失念していたフェイトだったが、なのはにもかなりの

衝撃がある内容だ。

「な、なのは。これは、母さんとエイミィが勝手に」

 なのはの驚きを少しでも取り除くために弁明しようとしたフェイトだったが。

「うわぁ。このウェンディングドレス可愛いー」

「って、何で馴染んでるのっ!?」

 パンフレットを開いているなのはに、突っ込まずにはいられなかった。

「えー。だって本当に可愛いんだよ?」

 言って、ほら、とフェイトになのははパンフレットを見せる。

「あ、本当に可愛い」

 パンフレットに載っていたウェンディングドレスは、純白ではなく、

ほんのり桜色をしていた。

 例えるなら、蕾が綻んだばかりと言ったところだろうか。

「なのはに似合いそうだ」

「本当?」

「うん」

「嬉しいな。ありがとう、フェイトちゃん」

 これまた花が綻ぶような笑顔を見せるなのはに、フェイトも思わず微笑む。

「って、そうじゃないよっ!私っ!!」

 釣られそうになる幸せな世界から慌てて現実にフェイトは戻る。

「母さん!私、そんな話があるなんて聞いてませんよっ!」

「そうでしょうねぇ。言ってないもの」

「いえ、言ってないもの。じゃなくてですねっ!」

 さらりと計画的犯行だと物語るリンディに抗議を続けようとしたフェ

イトを、不意の打撃音が遮った。

 振動でカタカタとテーブルが揺れる。

「ク、クロノ?」

 音源はクロノだった。

 テーブルに打ちつけた拳が震えている。

「……なのは」

「は、はい?」

 低く唸るような声に、思わずなのははパンフレットを閉じた。

「フェイトとはもうそんな関係なのか?」

「ふぇ?」

「だから、フェイトとはもうそんな関係なのかと聞いてるんだ」

「えーと」

 クロノが言う関係は、一般的には男女で行われる深い関係の事だろう。

「どうなんだ?」

「どうって聞かれましても……」

 そんな特秘事項を人を殺しそうな視線で問われても、なのはは答えら

れない。

『なのは、言わないでよっ』

『言われなくても言えないって』

 フェイトから飛んできた念話に念話でなのはは返した。

 そこまでの関係じゃなかったら、違いますと簡単に言えるのだろうが、

そこまでの関係を持っていて、簡単に言える人がどれだけいると言うの

だろうか。

 まして、こんな状態のクロノには冗談でも口には出来ない。

「どうなんだ?」

「え、っと」

「なのは、僕は怒るつもりはない。真実が聞きたいだけなんだ」

「…十分、怒ってるよ。クロノ君」

 どう見てもクロノの怒りは頂点に達している。

 下手な事を言えば、確実にリミッター解除だ。

 かと言って、嘘はつきたくない。

 どう誤魔化そうか。

 愛想笑いを浮かべながら考えていると、フェイトが叫んだ。

「クロノ!それはセクハラだよっ!」

「……フェイトちゃん、ちょっとそれは違う」

 火に油を注ぎそうな天然全開のフェイトになのはは溜め息をつく。

「そうよ、クロノ。そんな事を聞くのは野暮ってものよ」

「母さんっ!?」

 含みのある口元を押さえるリンディに、フェイトは目を剥いた。

「母さんはフェイトとなのはの進展がどこまでなのか知ってるんですか?」

 ゆっくりとリンディの方へクロノの視線が移動する。

「私も詳しくは知らないわよ」

『詳しくどころか何も話してませんよねっ!?』

 念話でリンディにフェイトは抗議した。

 しかし、返事はなかった。

 ただ、静かにリンディは微笑むばかりだ。

「どこまでだって良いじゃないの。なのはさんはちゃんと責任を取って

くれるんだから」

 クロノの怒りを何所吹く風と受け流すリンディに、なのはは瞳を瞬かせた。

「あれ?私がお婿さんの立場なんですか?」

 どちらかというと、フェイトの方が旦那さんの理想に近しいと思って

いたなのはは、もう一度パンフレットを広げた。

「じゃあ、私じゃなくてフェイトちゃんに似合うウェディングドレスを

選ばないと駄目かなぁ」

「……なのは。どうしてそんなに落ち着いているの?」

 ある意味、とても冷静ななのはに、フェイトは額を押さえる。

 どうして、大切な人を紹介するだけの予定がここまでこじれるのか。

 頭痛がしそうな収拾がつかない事態になりつつあるこの状況を更に盛

り上げるようにエイミィが喜々と参戦した。

「そうだよー。二人の仲を認めたなら、暖かく見守って、送り出してあ

げなよー」

「僕は交際は認めると言ったが結婚を認めるとは言ってないっ!」

「え?」

 断言したクロノに思わず、フェイトは顔を上げた。

「駄目なの?」

「フェ、フェイト?」

 口を閉じるのも忘れて、クロノはフェイトは見つめる。

「や、やっぱり……そういう事なのか?」

「あっ」

 慌てて、フェイトは口元を押さえた。

「ち、違、違わないけど。そ、そうなったら良いなぁと思ってるけど、

でもまだお給料三ヶ月分とか用意してないしっ。だから……」

「フェイトちゃん、本音漏れてるよ」

 なのはの突っ込みに一瞬、フェイトが言葉に詰まる。

「でも、そこまで考えてくれてるのは嬉しいな」

 しかし、ほにゃり、となのはに微笑まれ、フェイトは唇を強く結ぶ。

 一呼吸置いて、気持ちを落ち着けると、真っ直ぐにクロノを見据える。

「クロノ」

「……何だ」

「私、ずっとなのはと一緒にいるよ。結婚とかは、まだよく考えてない

けど……。でもなのはとヴィヴィオを一生護りたいって思ってる」

「……それは、決定事項なのか?」

「うん」

 意志を持ってフェイトが頷くと、クロノの肩ががっくりと落ちた。

「おー。フェイトちゃん言うねぇー」

「クロノの負けね」

 感心したエイミィが静かに拍手を送り、リンディは満足気に茶を啜る。

「フェイト」

 呼ばれて、リンディをフェイトは見た。

「そこまで決めてるなら、もう私達は何も言わないわ」

「え?」

「あなたはあなたの大切な人と一緒に、自分の道を進んで行きなさい」

「ありがとうございます。……母さん」

 幼少の頃に引き取ってくれたリンディは、母として、家族として。

 何時だって深い愛情をフェイトに注いでくれた。

 血の繋がりが無くとも家族になれると教えてくれたリンディがいてく

れたからこそ、今のフェイトがある。

 生み出してくれたプレセアの事は勿論今でも母と思っているけれど、、

リンディもまたフェイトの母親に違いなかった。

『でも、結婚式の事はちゃんと考えておいてね』

 感謝の念が止まない矢先に飛んできた念話にフェイトは苦笑して。

『はい』

 一言、返事をした。

「さて。お話も済んだことだし」

 これで終幕とリンディは両手を合わす。

「ここはもういいわ。フェイトの部屋で少し休んだらヴィヴィオちゃん

とあなた達の家に帰りなさい」

「え?でも、まだクロノが……」

 言って、クロノをフェイトは見た。

 完全に妹に負けたクロノは項垂れたまま現実に帰って来ていない。

「クロノは大丈夫よ。少し経てば元に戻るから」

 心配いらないと、リンディは笑う。

「それにエイミィがいるもの」

 つい、とリンディが視線を流したその先では、エイミィがさめざめと

泣くクロノを慰めていた。

「あーよしよし。クロノ君はフェイトちゃんが可愛いだけなんだよねー」

「僕は別にシスコンじゃなくて……純粋にフェイトが心配なだけなんだ……」

「解ってるよー。私はちゃんと解ってるよー」

 初めて目の当たりにした兄の落ち込み具合に、自身に向けられる愛情

をフェイトは知り、同時に申し訳無い気持ちになる。

「フェイト、気にしなくて良いわよ」

 フェイトの気持ちを読み取ったリンディは言った。

「でも……私のせいだから」

「良いのよ。いい加減、妹離れしなきゃいけないんだし。それに言い方

が悪いかもしれないけれど、良い予行練習だわ」

「え?」

「フェイトでこの調子でしょう?リエラの時はどんな事になるのか今か

ら不安でしょうがないもの」

「リエラは嫁にやらん!」

 聞こえていたのか鬼のような形相でクロノが叫んだ。

「ね?だから放っておいて良いわよ」

「………はぁ」

 リエラの年齢を考えるとお嫁さん話はまだまだ何年も先の話だけれど。

 今のクロノを見ていると、少なくともテレビで見た事のある嫁に出す

父親になるのは想像に易い。

「フェイトちゃんもああなるのかな」

 その様子をフェイトの隣で見ていた、なのはが考えるように呟いた。

「なのは、何の話?」

「ヴィヴィオがお嫁さんになる時のフェイトちゃんのお話」

「お、お嫁さんって。ヴィヴィオはまだ子供だよっ?」

「うん。でも、何時かはヴィヴィオも大切な人と出会うよ」

 なのはがフェイトと出会ったのは9歳の頃だ。

 自身の経験からすれば、ヴィヴィオも何時大切な相手と出会うか解らない。

 もしかしたらもう学院で大好きな人が出来てる可能性もある。

「駄目っ!ヴィヴィオの相手はなのはと私が認めた人じゃないと駄目っ!!」

「…じゃあエリオとキャロは?」

「エリオとキャロも同じだよ!あの子達だって可愛い私の子供なんだから!!」

 激しくを首を横に振るフェイトに、なのはは苦笑を否めない。

「あー…。フェイトちゃんはクロノ君と兄妹だねー…」

「……フェイト」

 この兄にしてこの妹ありな、我が子達に孫達の未来をリンディは不安

に思う。

「とにかく、フェイトも部屋で少し休みなさい」

「で、でも」

「いいから。孫達の事はもっと先の話よ。お願いだから今からクロノ二

世にならないでちょうだい」

 言って、フェイトの肩をリンディは押す。

「ほら、フェイトちゃん。リンディさんもああ言ってくれてるんだし。

お部屋に行こう?」

「う、うん」

 まだ納得しきれないフェイトの手をなのはは引っ張った。

「なのはさん、フェイトを宜しくね」

「はい」

「子供達の将来の時もね」

「……………はい」

 垣間見えた未来予想図になのはは苦笑いをする。

 半ば追い出されるようにリビングを後にしたフェイトは、ぶつぶつと

呟きながらリンディとなのはに従って自室へ向かった。

「そうだよね……。ヴィヴィオも何時かはお嫁さんになるんだよね……。

エリオとキャロはもっと早いんだよね……」

「だからどっちも何年も先の話だってば」

「でも、あと何年かしたら来るんだよ?エリオとキャロなんてもう直ぐ

だよ」

「あのね」

 半分冗談のつもりが、思いっきり真剣にフェイトは受け止めている。

 自身がそのお嫁さんになるというかお嫁さんを貰うというかという立

場にいると言うのに完全に嫁に出す親の心境だ。

 階段を昇りながら、失敗した、となのはは思う。

「しょうがないなぁ」

 ふっ、と息を吐くと、フェイトの腕をなのはは引っ張っる。

「わっ!なのは危な……ん……」

 崩れそうになるバランスを慌てて立て直すと、フェイトの唇はなのは

のそれで塞がれた。

「んんっ!」

 一瞬、自身に何が起こったか解らなかったフェイトだが、唇の感触で

状況を理解すると、なのはの肩を押し返して、慌てて周囲を確認する。

 幸いな事に、リビングに戻ったのか階下にリンディの姿はなかった。

 逆に、階上からも子供達が降りてくる気配はない。

「な、なのは駄目だよ。こんな所で」

「目、覚めた?」

「え?」

 何の事だろうと、首を傾げると、ついとなのはが人差し指を突きつける。

「いい。フェイトちゃん」

「う、うん」

「エリオもキャロもヴィヴィオも結婚なんてまだまだ先のお話。今から

気にしてどうするの」

「そ、それはそうかもしれないけど……」

「けど、じゃないの」

 ぴしゃりと言われ、フェイトは口を噤む。

「それに、その時が来た時はきちんと祝福してあげる事が私達の努めだ

よ。私達がして貰ったようにね」

 なのはの言う事はフェイトにも理解出来た。

 今のフェイトとなのはの関係は周囲の協力や支えで成り立っている。

 もしも、反対されたり、悲しませたりしていたら、一緒にいられても

何処かに後悔が残っただろう。

 そんな想いを誰にもさせない為には、なのはが言うように、信じて送

り出すしかない。

「解った?」

「うん」

 こくりと頷くと、満足そうに微笑んで、なのはは言う。

「あと、そんなに心配しなくても大丈夫。ヴィヴィオはきっと良い人を

連れて来るから」

「どうしてそう言い切れるの?」

 未来の事など誰にも解らないのに。

 何故なのはは言い切れるのか、フェイトは不思議に思う。

「だって、私とフェイトちゃんの子供だよ?きっと私達がびっくりする

位、恰好良い人を連れて来るよ」

「そ、かな?」

「そうに決まってるよ」

 何故だろう。

 先の事なんて誰にも解らない筈なのに。

 なのはが言うと、信じられる。

「じゃあ、安心かな」

「うん。安心してて良いよ」

 言って、あとね、となのはは続けた。

「エリオとキャロもね」

「うん。なのはが言うならきっとそうだね」

「あの二人に関してはそういう意味じゃないんだけど」

「え?」

 ピンと来なくて、首を傾ぐと、なのはが肩を竦める。

「やっぱりフェイトちゃんは気づいてないんだ」

「なのは、どういう意味?」

「さて、どういう意味でしょう」

 内緒と人差し指を唇に立てるなのはは、意地悪な顔をしていた。

「なのは。私には全然解らないよ」

 それでも、気になって聞くと、楽しそうになのはが笑う。

「今度エリオとキャロに会った時に聞いてみるといいよ。きっと二人と

も吃驚するから」

「う、うん。解った……」

 それは、つまりエリオにもキャロにも、もう大切な人がいるという事

だろうか。

 しかし、今までそんな話はどちらからもフェイトは聞いた事がない。

 フェイトよりもエリオとキャロに会う機会が少ない、なのはは一体、

何時知ったのだろう。

「二人が一緒の時を見てれば解ると思うんだけどなぁ」

「そうなの?」

「でも、気づかないのはフェイトちゃんらしいといえば、らしいかな」

 くすくす笑うなのはは、褒めているのか、貶しているのか。

 フェイトにはよく解らなかった。

 ただ、こういう顔をする時のなのはは答えを決して教えてはくれない

事は知っている。

 近いうちにエリオとキャロに会いに行こうとフェイトは思う。

 二階に上がると、子供部屋は静かだった。

 子供が三人もいるというのに、笑い声もしなければ、話し声もしない。

 不思議そうになのはと顔を見合わすと、フェイトはそぅっと扉を開ける。

「あっ」

 中を覗くと、天使が仲良く並んで眠っていた。

「皆、寝ちゃったみたいだね」

「うん。そうだね」

 なのはに答えて、フェイトは微笑む。

 遊んでいるうちに疲れてしまったのだろう。

 部屋の中は玩具がそこかしこと散らばっていた。

 その中心で、子供フォームのアルフを囲む様にリエラ、カレル、ヴィ

ヴィオが眠っている。

 そっと部屋に入ると、フェイトはアルフの頭を撫でた。

 燃費が良いからと会得した子供フォームはすっかり定着している。

 けれど、心まで子供に戻った訳ではなく。

 何時だって家族を護って、フェイトを思い、フェイトが自由に動ける

ようにと気を配ってくれている。

「アルフ、何時もありがとう」

 静かに、フェイトはお礼を言う。

「フェイトちゃん」

 呼ばれて振り返ると、ベッドからなのはが毛布を持って来ていた。

「もう少し、寝かせてあげよ」

「そうだね」

 風邪を引かないようにと、毛布を掛けて、フェイトはヴィヴィオを見

つめる。

「ヴィヴィオ……」

 あどけない寝顔は幸せな夢を見ているのか口元が微笑んでいた。

 可愛いとフェイトは思う。

「大切な人を連れて来るのはなるべく遅くしてね」

「先の話、先の話」

 誰にも渡さないと言うように抱き締めるフェイトの手からヴィヴィオ

をなのはは離す。

「そんなに抱き締めたらヴィヴィオが起きちゃうでしょ」

「あ、うん」

「ほら、もう行こ」

 名残惜しそうなフェイトの腕を掴んで、なのはは子供部屋を出た。

 そのまま勝手知ったる他人の家と、真っ直ぐフェイトの部屋へと向かう。

「もぅ。納得してくれたんじゃなかったの?」

「頭では解ってるんだけど。やっぱり気になっちゃって……」

「先が思いやられるなぁ」

 クロノと全く同じ行動をするフェイトに、なのはは軽く頭痛を覚えた。

「そんな事ばかり言ってると」

 くるりと身を翻して、フェイトとなのはは対峙する。

「ここで、もう一度、目覚ましをするよ?それももっと深いの」

「ごめんなさい。もう言いません」

 部屋の中ならともかく。

 部屋の前の廊下では遠慮したいフェイトは両手を挙げて降参した。

「宜しい」

 腕を組んで、頷くなのはに想像したくない未来を考えないようにして

フェイトは自室の扉を開ける。

「そういえば、なのはがこの部屋に来るのって久しぶりだね」

 フェイトが実家に住んでいた頃、なのははよく訪れていた。

 けれど、フェイトが一人暮らし始めてからは、必然となのはがハラオ

ウン家を訪れる事は少なくなり、最後に招いたのはもう何ヶ月も前だ。

「だって、フェイトちゃんがいないのに私だけ来るのもおかしな話じゃ

ない?」

「それもそうだね」

 もしそうだったらそれはそれで吃驚だ、とフェイトは笑う。

「でも、フェイトちゃんのお部屋、全然変わってないね」

 久しぶりのフェイトの部屋を見回して、なのはは言った。

「母さんやクロノが何時でも帰って来れるようにって残してくれてるんだ」

 言って、ベッドに腰掛けたフェイトは、肩の力を抜く。

「フェイトちゃん、疲れた?」

「うん。ちょっと疲れた、かな」

「リンディさん凄かったもんね」

 笑って、フェイトの隣になのはは腰を下ろす。

「まさかあんな話が待ってるなんて思わなかったよ」

 サプライズというよりも、どっきりだったリンディの企みは、かなり

心臓に悪かった。

「本当だよねー。私も吃驚した」

「そうなの?」

 意外そうに聞くと、逆に意外そうな、なのはに見つめ返される。

「どうして疑問系かなぁ?」

「だって、なのは楽しそうだったから」

「吃驚はしたよ。ただ折角だしと思って乗っちゃっただけ」

「そ、そうなんだ」

 その順応性は凄いとフェイトは思う。

「それに私よりもクロノ君の方が吃驚してたからってのもあるかな」

「あぁ……」

 あの場にいた誰よりも、それこそ当人達よりも一番クロノがテンパっ

ていた。

「あんなクロノ、初めて見たよ」

「私も。見ててクロノ君には悪い事しちゃったなぁって思っちゃった」

「どうして?」

「だって」

 ふと微笑んで、フェイトの首に腕を回して。

「可愛い妹さんを取っちゃったんだもん」

 頬にキスを一つ、なのはは落とす。

「……それは、私も一緒だよ」

 なのはにも兄と姉がいる。

 まだ高町家には挨拶に行ってはいないが、なのはを離すつもりがない

以上、同罪だ。

「そっか。フェイトちゃんも一緒だね」

 耳元で笑うどこか楽しそうな、なのはの背にフェイトは腕を回す。

「うん。一緒だ」

 自分の家族は大切で、なのはの家族も大切にしたいけれど。

 一番愛しい相手が、この腕の中にいる。

 悪いと思っても、申し訳無いと思っても、離せない。

 なのはだけは譲れないと、フェイトは抱き締める。

「あ、そういえばフェイトちゃん」

「ん?何?」

 ふと、肩口で話を始めるなのはに、フェイトは腕の力を緩める。

「フェイトちゃんはどっちが良い?」

「どっちって?」

「高町の姓を名乗るのと、ハラオウンの姓のままでいるのと、どっちが

良い?」

「…………え?」

 こてんと首を傾ぐように問うなのはに、フェイトの思考は停止した。

「ほら、リンディさんは私にハラオウンの姓を名乗らない?って誘って

くれたけど。フェイトちゃんの意見は聞いてなかったから」

「ええっ!ど、どっちって聞かれても!」

 全く考えもしなかった問題をポンと問われて、フェイトは慌てる。

「私は別にハラオウンになっても構わないんだけど。なんか私がお婿さ

ん的な立場みたいだから。フェイトちゃんをお嫁さんに貰った方が良い

のかな」

「え!や、あの、なのは!?」

「そうすると、フェイト・T・高町かフェイト・T・H・高町になるんだよ

ね。うーん。ちょっと長い気がするなぁ」

 改めてなのはの口から言われると、恥ずかしさは倍増で。

 フェイトの顔が真っ赤に熟れる。

「やっぱり私がなのは・ハラオウンになった方がすっきりするよね。ヴィ

ヴィオ・ハラオウンもおかしくないし」

 すっきりとかおかしくないとか、そういう問題じゃないとフェイトは

思う。

 けれど、なのはは気にならないらしく。

「それで、フェイトちゃんはどっちが良い?」

 けろりとした顔でフェイトに聞いた。

「ど、どっちって、言われても」

 ハラオウンの姓は大切だけれど、テスタロッサと同様にイニシャルを残

すような形にしてもフェイトは構わない。

 逆に、なのはがハラオウンの姓を名乗りたいと言うならそれで良いと

思う。

「わ、私は……なのはとヴィヴィオの傍にいられるなら、どっちでも、

良いよ……」

 素直に吐露すると、なのはの瞳が瞬いた。

「そっか」

「……うん」

 ふわりと細まる瞳にフェイトは頷く。

 どちらがどちらの籍に入るかなんて、本当はそんなに重要ではない。

 額を合わせて、瞳を見つめて。

「フェイトちゃん、大好きだよ」

 愛しそうに名前を呼んでもらえて。

「私も…なのはが、好きだよ」

 愛しい名前を呼べる。

 これ以上の幸いはないと、フェイトは思う。

 だから、一つだけ。

「なのは」

「ん?」

 なのはに確認したい事が、フェイトにはあった。

「私、頑張ったよね?」

「ふぇ?」

「へたれさん、なんて呼ばない、よね?」

 間近で真剣に問うと、一度、二度となのはの瞳が瞬き。

 次の瞬間、なのはは笑い出した。

「な、なのは?」

「フェイトちゃん、まだ気にしてたんだ」

「そ、そりゃ、気になるよっ」

 ツボに入ったのか、本気で笑い出すなのは、フェイトは真顔で言う。

「だって、なのはには、名前で呼んで欲しい、から」

 頬を赤らめて、呟くように言うと、ぴたりと笑いが止んだ。

 なのはの両手がフェイトの頬を包む。

「大丈夫。フェイトちゃん、凄く格好良かったから」

「本当?」

「うん。ドキドキしちゃった」

 照れたように笑う、なのはの頬も紅に染まっていて。

 言葉よりも、嘘じゃないと言っていて、フェイトは安心する。

「でも、子供達の事だけは、少しへたれさんかも」

「えっ!?」

 褒められた矢先に落とされた感想に、フェイトは焦った。

「だけど、そんなところも大好きだから」

 言って、ちょんと、軽くなのはは口付ける。

「フェイトちゃんは、フェイトちゃんのまま、だよ」

 ようやく、もの悲しい呼称から解放されたフェイトは嬉しそうになの

はを抱き締めた。

「これからも名前で呼んでね。なのは」

「うん。フェイトちゃんもね」

 ずっと先の未来まで、変わらない誓いを立てるように。

 約束と囁いて、フェイトはなのはにキスをした。


どちらの姓に落ち着くかはお好みで(笑)
そして、クロノ君ファンの方。本当にすいません(平謝り)

なのはさんとフェイトさんの温度差が書いてて楽しくて仕方なかったです。

 

拍手レス(09/04/19)

日曜日, 4月 19th, 2009

>アイル様
不思議と「はやての苦労」は人気があるようです。
皆さん、苦労性の部隊長が大好きなんですね(笑)
ちょっと本気で続きを考えたいと思います。はい。
って、うわわ。本を購入して頂けたんですね!ありがとうございます!!
拙い話しか書けないヤツのお話ですが少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
そして、気づいちゃいました?
「望」が「はやての苦労」の続きとして読める設定になっている事に……。
や、繋げるつもりはなかったんですけど、なんか繋げて読める感じになっちゃいました(^^;
はやての苦労からシリアスなら本の「望」に。
ギャグならサイトに(続きを書く予定です)
そんな感じで行きたいと思ってますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
どちらにせよ、心より二人を応援しているはやてに変わりはないですよー。
部隊長はみんなの部隊長です!

他、沢山の拍手をありがとうございましたm(__)m

ちうか、拍手数にマジでびびりました……。

リリカルなのは なのは×フェイト

日曜日, 4月 19th, 2009

リリカルなのはの、『なのは×フェイト』に一本追加しましたー。
タイトルは、
『VSハラオウン家(中)』
だす。
瑞穂も予定外の中編……後編はもちっと待って下さい。
あと、今から拍手レスも行いますー。

VSハラオウン家(中)

日曜日, 4月 19th, 2009

 暫く家の前でのすったもんだを終えたフェイトとなのはは、ヴィヴィ

オを真ん中にして、ようやくハラオウン家の玄関を潜った。

「ただいま帰りました」

 玄関口でフェイトが帰宅を告げると、奧からリンディが足早に出て来る。

「お帰りなさい。フェイト」

「ただいま、母さん」

「なのはさんもいらっしゃい」

「リンディさん、こんにちは。お邪魔します」

 丁寧にお辞儀をして、なのはは挨拶をした。

「りんでぃさん、こんにちは」

 それに習って、ヴィヴィオもぺこりと頭を下げる。

「はい。こんにちは。ヴィヴィオちゃんもよく来てくれたわねー」

 満面の笑顔で膝を折り、ヴィヴィオの頭をリンディは撫でた。

 まるで本当の孫のように可愛がってくれるリンディに、見守っていた

フェイトから笑みが零れる。

「母さん、クロノとエイミィは?」

「ちゃんといるわよ。リビングで貴方たちを待ち侘びてるわ」

 先だって伝えた通り、クロノとエイミィも予定を空けてくれたらしく、

フェイトは静かに頷く。

「リエラとカレルは?」

「二人は二階の自分達の部屋よ。もヴィヴィオちゃんと遊べるって楽し

みにしてるわよ」

「そっか」

 今からが勝負と気合いを入れて、なのはを見ると、同じ事を思ってい

たのか瞳が合った。

 言葉は交わさないで、瞳だけで話す。

 フェイトとなのはの気持ちは一つだった。

「ヴィヴィオ」

 膝を折って、視線を合わせたフェイトは諭すように言う。

「お出かけ前にも言ったけど。今からママ達はリンディ母さんやクロノ

達とお話をしなきゃいけないんだ。リエラとカレルと遊んで待っててく

れるかな」

「うん。ちゃんといいこでまってるって、ままたちとやくそくしたよ」

 覚えていると、右手の小指をヴィヴィオは立てる。

「そうだね。約束したね」

「だから、ままたちもがんばってね」

 思いがけない応援に、フェイトは瞳を丸くした。

「ヴィヴィオおうえんしてるよ!」

 グッとガッツポーズを作るヴィヴィオは果たして、解ってて言ってい

るのだろうか。

 だとしたら少し、いやかなり恥ずかしい。

 上手く愛娘の思考が解せなくて、フェイトが惑っていると。

『フェイトちゃん、お話の内容は知らないから』

 なのはから念話が飛んできた。

『ヴィヴィオは普通に応援してくれてるだけだから。合わせてあげて』

 なのはに促されて、合点が行ったフェイトはこくんと一つ頷く。

「う、うん。ママ達も、頑張るよ…」

「うん!がんばって!!」

 全力全開の笑顔に、ぎこちなくフェイトが笑顔を返すと、上から笑い

声が聞こえて来た。

 見上げると、リンディが口元を押さえている。

「フェイト、緊張し過ぎよ」

「す、すいません」

 もう何と言って良いのか解らないフェイトの顔が赤く染まる。

「さ、ヴィヴィオちゃん。リエラとカレルも待ってる事だし、二階に行

きましょうか?」

「はーい」

 言って、リンディが手を差し出すと、嬉しそうにヴィヴィオがその手

を握った。

「フェイトとなのはさんはリビングに行っててね。直ぐに私も行くから」

「はい。母さん」

「リンディさん、ヴィヴィオを宜しくお願いします」

「ええ。任せて」

 にっこりと笑んで、ヴィヴィオを連れてリンディは二階への階段を昇っ

て行く。

「じゃあフェイトちゃん、私達はリビングに行こっか」

「う、うん」

 こくんと頷く、フェイトの顔は強ばっていた。

 先刻のヴィヴィオの応援が逆作用したらしく、緊張が戻って来ている。

「……フェイトちゃーん」

「な、何、かな」

「へたれさん、って呼ぶよ?」

「えっ!?」

 目を見開いて、なのはを見るとにっこりと微笑まれた。

「なのは!それは止めてっ!」

「うーん。それはフェイトちゃん次第かなー」

 悪戯っぽく言うなのはは笑っているけれど、一歩間違えると本気でや

りかねない。

 ただでさえ物悲しい呼称をなのはの口から言われるたら悲しさは倍増だ。

 更になのはがそんな呼び方をすればヴィヴィオまで言い出しかねない

事態に陥る。

 何としてでも阻止しなければ、なのはの相手としても、ヴィヴィオの

母親としての立場も崩れ落ちてしまう。

「わ、解った。私、へたれなんて呼ばれないように頑張るよ!」

「だから頑張るのは私なんだけど。……もぅ、いっか」

 ぐっと真剣な表情するフェイトはどう見ても、余裕がなくて。 

 どっちでもいいやと、なのはは苦笑した。

「よし。行こう、なのは」

「はいはい」

 気合いが途切れないうちにと、なのはを連れて足早にフェイトはリビ

ングへ急ぐ。

 リビングではリンディが言っていたようにクロノとエイミィいた。

 二人並んでソファーに座っている。

「フェイトちゃんおかえりー、なのはちゃん久しぶりー」 

「ただいま、エイミィ」

「エイミィさん、お久しぶりです」

 ひらひらと手を振るエイミィに、フェイトとなのはは挨拶をした。

「いやいや待ってたよー。ささ座って座って」

 向かいのソファーを薦められ、フェイトとなのはは並んで腰掛ける。

「エイミィ、クロノ。忙しいのに時間取らせちゃってごめんね」

「いいよー。待ち草臥れるくらい待ってたんだから」

 手ぐすねを引くようなエイミィは、先日のリンディをフェイトに彷彿

させた。

 逆に隣のクロノはというと、これもまたリンディが言っていたように

渋い表情のまま腕を組んでいる。

「……クロノ」

 窺うように名前を呼ぶと、視線がフェイトへと向けられた。

 リンディは大丈夫と言っていたが、渋い顔を崩さないクロノはあまり

なのはとの交際を快く思ってないように見える。

「ごめん、ね」

 つと、謝罪がフェイトの口をついた。

「謝らなくてもいい」

「でも」

「フェイトは悪い事をしてるとは思ってないんだろ?」

「……うん」

 人目を憚らなければならない部分があるのは現実だけれど。

 なのはと付き合うのが、悪い事だとは一度も思った事がフェイトはない。

「なら謝るな。僕も反対している訳じゃないんだ。ただ、何というか……」

 言い淀むクロノは、困っていた。

 ただそれは、クロノ自身が言ったように反対していると言う訳ではな

く、上手く言い表せないという感じで。

「大丈夫だよ。フェイトちゃん」

 認めたエイミィが代弁した。

「クロノ君は単にフェイトちゃんを取られるのが嫌なだけだから」

「エイミィ!」

「ったく。いい加減妹離れしなさいよね。そんなんだからシスコンって

言われるのよ」

「誰がシスコンだっ!」

「クロノ君」

 指差し付きで、すっぱりエイミィは言い切る。

「あのな!僕はただフェイトの幸せをだなっ!」

「幸せを考えてるなら両手を挙げて喜ぶくらいの度量を見せなさいよっ」

「だから!」

「ク、クロノ、エイミィも。落ち着いて」

 勃発した二人の口論をフェイトは慌てて止めた。

「僕は反対していないって言ってるだろっ!」

「だったらおめでとうって言ってあげなさいって言ってるのっ!!」

 しかし、どっちも聞いてはくれなかった。

 確実にクロノとエイミィはヒートアップしていく。

「な、なのは、どうしよ……」

「どうしようと言われても……私には無理だよ」

 口論の理由が自身にあるなのはには、止め様がない。

 成り行きを見守るしかない状況になのはとフェイトが惑っていると。

「二人とも。そこまでにしておきなさい」

 入り口から静かな一喝が落ちた。

 見ると、盆に湯のみを二つ乗せたリンディが立っている。

「あなた達が喧嘩してどうするのよ。フェイトもなのはさんも困ってる

じゃない」

「あっ」 

 リンディの存在で我に返ったクロノとエイミィは同時になのはとフェ

イトを見た。

 どんな反応をすれば良いのか解らないなのはとフェイトが曖昧な笑み

を浮かべる。

「ご、ごめんね。なのはちゃん、フェイトちゃん」

「すまない。取り乱した」

「全く。クロノは少し落ち着きなさい。エイミィもクロノをあまり煽る

んじゃありません」

 縮こまるクロノとエイミィに釘を刺して、リンディはフェイトとなの

はの前に緑茶がたゆたう湯のみと、硝子で出来たシュガーポットとミル

クを置いた。

「二人ともお砂糖とミルクはお好みで入れてね」

「……ありがとう、母さん」

「ありがとうございます……」

 気持ちはありがたいけれど、ストレートで飲みたいとフェイトとなの

はは思う。

「さて。クロノとエイミィも落ち着いたようだし」

 エイミィの隣に腰を下ろし、咳払いを一つ、リンディはする。

「フェイト」

「は、はい」

「私達に用事って何かしら?」

 満面の笑顔のリンディに一瞬、フェイトは眩暈を覚えた。

 今日、なのはを連れて帰宅した理由をリンディは知っている。

 クロノとエイミィも先刻の口論から言って、伝わっている筈だ。

 なのに、リンディはあえて問う。

 呆けたリンディの笑顔は、白々しさを通り過ぎて清々しいまでで。

「え、と……」

 ここまでシラを切られると逆に話を切り出し難いとフェイトは思う。

 どう話を始めようか。

 思案するフェイトの肘に何かが当たった。

 視線だけで落とすと、なのはの肘がフェイトを突いている。

 不思議そうに顔を見ると、真っ直ぐに見つめ返された。

 にこりと微笑まれる。 

 そっか、とフェイトは気づいた。

 フェイトの隣にはなのはがいて、なのはの隣にはフェイトがいる。

 そして、席は外しているけれど、真ん中にはヴィヴィオがいる。

 一人じゃないんだ、とフェイトは思う。

「母さん、クロノ、エイミィ」

 顔を上げて、真っ直ぐ前を見つめて。

「私の大切な人を紹介します」

 静かに、でもはっきりと。

「高町なのはさんです」

 なのはをフェイトは紹介した。

「高町なのはです。フェイトさんとお付き合いさせて頂いています」

 畏まったなのはの挨拶はフェイトの緊張を高める。

 静かな部屋で自身の鼓動だけが聞こえた。

 反対されていないと解っていても、心の何処かに不安が残っている。

 それでも、家族からフェイトは瞳を逸らさない。

 ふと、リンディが微笑んだ。

「ようやく、紹介してくれたわね」

「……遅くなってすみません……」

 ぺこりと頭を下げると、エイミィの明るい声が続いた。

「本当だよー。でもなのはちゃんなら、お姉さんも一安心だなー」

 にこにこした嬉しそうな笑顔に、フェイトの緊張が和らぐ。

 けれど、一人だけ。

 クロノだけは腕を組んだまま黙り込んでいる。

「クロノ。駄目、かな?」

 窺うように問うと、渋い顔のまま息が吐かれた。

「ずっと言ってるだろ。反対してないって」

 そう言うクロノは、賛成しているようにはフェイトには見えない。

「なのはなら僕もよく知っているしな。正直、どこのどいつかも解らな

い馬の骨を連れて来られるより全然良い」

「ちなみに、馬の骨を連れて来た場合、クロノ君はどうするつもりだっ

たの?」

 真剣なクロノに興味本位のエイミィが聞く。

「そんな奴は次元の彼方に飛ばしてやる」

 即答だった。

「だよねー。私も可愛い妹をそんな輩にあげたくないもん」

「そうよねぇ。私も遠慮したいわ」

「……あの、私の意見は……?」

 微塵の揺るぎもない家族の団結に、ちょっぴり疎外感をフェイトは覚える。

 その隣で、なのはが微かに頬を引き攣らせていた。

『みんな、本気だねー…』

『……そうだね』

 なのはの念話に返事をしながら、心底相手がなのはで良かったとフェ

イトは思う。

「なのはならフェイトを泣かす様な事はしないだろうし。なのは自身も

任務での無茶が減りそうだ。そういう意味でも賛成している」

「にゃはは……」

 イロイロと心当たりがあるなのはは曖昧に笑う。

「ただ、やっぱり兄として少し複雑な気分なだけだ。気にしないでくれ」

 どうやら渋い顔の理由は、兄としてというよりも父親の心境に近いせ

いらしく。

 何だかんだと言いながらも認めてくれたクロノにフェイトは安心し、

なのはは胸を撫で下ろした。

「あ、そうそう。今日はフェイトとなのはさんに相談したい事があった

のよねぇ」

 なのはの紹介が一段落した頃を見計らっていたのか。

 不意にリンディが言った。


後編のつもりが中編に。
ちうか、何でまたこんな長い話になってるんだろうなぁ(遠い目)
後編はリンディさんが全力全開です。

拍手レス

火曜日, 4月 7th, 2009

拍手レス&コメント返しをしましたー。
コメントは各所でご返信させて頂いておりますm(__)m
そして、びみょーに人気の「はやての苦労」。
読み切りの予定だったけど続きを書かなきゃいけない気がしてきた……。

拍手レス(09/04/07)

火曜日, 4月 7th, 2009

ツバキ様
まだ途中ではありますが(爆)こんな感じのVSハラオウン家になりました(^^;
本当、なのはさんは何を教えてるんでしょうねー…。
最初はもちっとマシだったのに気づけば、フェイトちゃんヘタレ決定(実際、ヘタレだけど(笑))
後編は、クロノがかなりシス○ンになってますけど、ぼちぼちと書いておりますのでもちっとお待ち下さいm(__)m

うにいくら丼様
( ̄□ ̄;)!!
は、初めまして。MOON CHILDの管理人の瑞穂と申します(敬礼)
こんな辺境の地にようこそおいで下さいました。
と、いうか。
リンクフリーに甘えて挨拶もせず申し訳ありません。
こちらこそ、うにいくら丼様のSSはどれも素敵すぎて何時も楽しませて頂いております。
小悪魔な、なのはさんがもの凄くツボだったり、ちょいと誘い受け(笑)のなのはさんも可愛いすぎて可愛すぎて(略)相棒に「気持ち悪い」と言われる顔で拝見させて頂いております!(ほんとに気持ち悪いよ)
こんな辺鄙なよろずサイトですがリンクして頂けるなんて…。
本当にありがとうございます!
今後ともどうぞ宜しくお願い致します!!

通販の発送ー

金曜日, 4月 3rd, 2009

通販をお申し込みされました方で、昨日までにご入金の確認が取れました分は、舞-HiME、なのは、共に今日発送させて頂きました。
相棒君は仕事が早い。むしろおいらのプリントアウトが追っつかないよ(爆)
遅くとも来週中には届くと思いますので、もう少しお待ち下さいm(__)m
また再来週になっても届かない場合はお手数ですがご連絡をお願い致します。

リリカルなのは なのは×フェイト

木曜日, 4月 2nd, 2009

リリカルなのはの『なのは×フェイト』に1本追加しました。
タイトルは。
『VSハラオウン家(前)』
だす。
「VSリンディ」の続きの要望があったので書いてみました。
なのは視点でオトコマエなので「なのは×フェイト」に突っ込み。

VSハラオウン家(前)

木曜日, 4月 2nd, 2009

「あー…。どうしてこんな展開になっちゃったかなぁ…」

 苦笑いを浮かべて、閑静な一軒家をなのはは見上げた。

「なのは、ごめんね。急にこんな事になっちゃって」

 なのはの隣で、居たたまれない顔のフェイトが謝る。

「あ、フェイトちゃんは悪くないから謝らないで。それに、まぁ…良い

機会かなと思わない訳でもないし」

 言って、鼻の頭をなのはは掻く。

 今日のなのはとフェイトの様相は何時もと違った。

 フェイトはブラウンのスーツを、なのはは空色のスーツを着ている。

 仕事中とは異なる化粧は、優しく控え目に。

 なのはのサイドポニーも下ろされていた。

 正装という程ではないが普段着という訳でもなく。

 背筋が伸びる程度に気張った服装をしていた。

「にゃはは。フェイトちゃんのお家は何度も来てるけど、流石にちょっ

と緊張するね」

「う、うん。私も、緊張してる」

 言う、フェイトはなのはよりも緊張しているように見える。

 強張った表情に、思わずなのはは笑う。

 今、なのははフェイトと共にミッドチルダのハラオウン家の前にいた。

 目的はリンディの憂いを晴らす事。

 つまり、フェイトの恋人として、正式に挨拶する為にハラオウン家を

訪れていた。

「フェイトちゃんは自分のお家なんだから。そんなに緊張する事ないのに」

「き、緊張するよ。普段帰って来るのとは違うんだから」

「気持ちは解らなくもないけど、私より緊張しないでよ」

「う、うん」

 かくんと頷くフェイトはまるで人形のようで。

「もぅ。ほらリラックスリラックス」

 見ているなのはの緊張が逆に解ける。

「う、うん。頑張るよ」

「いや。頑張るのは多分私だから」

 完全に固まってるフェイトに困ったなぁと、なのはが思うと。

 つん、とスーツの裾を引っ張られた。

 見ると、ヴィヴィオが見上げている。

 今日はヴィヴィオも桜色のワンピースでおめかしをしていた。

「どうしたの?ヴィヴィオ」

「ここって、ふぇいとままのお家だよね?」

 何度か来た事があるのを覚えているのだろう。

 ヴィヴィオの問いは、確認だった。

 しゃがんで、なのはは頷く。

「うん。そうだよ」

「ふぇいとままのお家なのに、ふぇいとままはきんちょーするの?」

「えーと、ね」

 どう説明すれば良いのだろうか。

 恋人として挨拶をしに行くと教えるにはヴィヴィオはまだ幼な過ぎる。

 嘘をつくのは気を引けるが、今はまだ他の理由で誤魔化すのが一番最

良の策かもしれない。

「んー」

 どんな説明をしようかと考えながら、ちらりとなのははフェイトを見た。

 顔色が悪い。

 というか、緊張で倒れそうな様相だ。

 こっちはこっちで何とかしないと、玄関を潜る事すら難しそうで。

 子供が二人いるなぁ、と思いながらなのはは思案する。

 首を捻って考えていると、ふと、一つの案がなのはに浮かんだ。

「ヴィヴィオ、フェイトママが緊張してるのはね」

「うん」

「フェイトママが、ヘタレさんだからだよ」

「なのはっ!?」

 不意に聞こえた嬉しくない表現にフェイトは目を見開いた。

「へたれさん?」

「そうそう」

 小首を傾げるヴィヴィオにこくりと、なのはは頷く。

「なのはまま、へたれさんってなぁに?」

「へたれさんって言うのはねー」

「ちょ、なのは!ヴィヴィオに何を教えてるのっ!?」

 慌てて止めるフェイトに、笑みを浮かべながらなのはは言う。

「へたれさんの説明、かな?」

「それは解るけどっ!どうして私と結び付けてるのっ!!」

「だって、私より緊張してるんだもん」

「うっ」

 至極ご尤もな指摘に、フェイトは何も言い返せない。

「この場合、私が緊張しててフェイトちゃんがフォローするのが普通だ

と思うんだけどな」

「そ、そうかもしれないけど……」

「それに後日、私のお家にも行くんでしょ?」

「う、うん」

「反対されてる訳じゃない自分のお家でそんなに緊張してたら、私のお

家に挨拶なんて無理なんじゃないかなぁと思って」

 ねー、と笑って、ヴィヴィオの頭をなのはは撫でた。

 ハラオウン家と違い、なのはの実家は地球だ。

 時々家に帰ってはいるものの、フェイトとの関係は未だ話していない。

 もしかすると、フェイト同様気づかれているかもしれないけれど、顔

を合わせる機会が少ない分ハラオウン家の人ほどの確証は持っていない

と、なのはは踏んでいる。

 完全に知られているハラオウン家でこの状態では、なのはの家族に挨

拶など無理だ。

「だから、フェイトちゃんはへたれさん」

「わ、私は、へたれじゃないよっ」

「そう?」

「う、うん」

 フェイトを見上げると、まだ自信のなさそうな顔をしている。

 もう一押しかなと、なのはは思う。

「だったら、へたれじゃないとこ、見せて」

 言って、なのはは立ち上がる。

 対峙するようにフェイトの前に立ち、背中で指を絡めながら、なのは

は見上げた。

 少し引き気味のフェイトの瞳は不安の色が見え隠れしている。

「私を護ってくれるんでしょ?」

 誘うように問うと、不安そうな瞳がなのはを見つめて、定まった。

「……護る。護るよ。何時だってどんな時だって、なのはは私が護るよ」

「うん。頼りにしてる」

 不安が払拭されたフェイトの表情に、なのはは満足そうに微笑む。

「それじゃあフェイトちゃん、そろそろ行こっか」

「うん。母さん達も待ってるしね」

 はっきりした口調のフェイトは何時も通り凜としていて。

 視線をヴィヴィオへとなのはは移す。

「ヴィヴィオ」

 名前を呼んで、右手を差し出すと嬉しそうにヴィヴィオが右手を繋い

で来る。

 そんな嬉しそうなヴィヴィオの左側からも手が差し出された。

「ヴィヴィオ」

 もう一度名前を呼ばれたヴィヴィオが、これまた嬉しそうに左手をフェ

イトに合わせた。

「みぎがなのはまま、ひだりがふぇいとまま」

 なのはとフェイトを交互に見て、ヴィヴィオは笑う。

「うん」

「そうだよ」

 ヴィヴィオの右手はなのはに。

 ヴィヴィオの左手はフェイトに。

 定位置に落ち着いた三人は一度笑い合って。

 仲良くハラオウン家の門を潜った。


ちょっと短いけどキリが良かったので。
続く予定じゃなかったVSリンディの続きです。
後編はクロノが壊れます(笑)