まこ亜美、静なつ、夏実×美幸を中心に気の向くまま書いている二次創作サイトです。

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闇(舞-HiME・静留×なつき)

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「……っ」

 噛み付くように首筋を探られ、なつきは声を噛み殺した。

 肌を滑る指は先刻から爪を立てながら掻き抱いてくる。

 背中が痛い。

 風呂は染みるかもしれない、なんて明後日な事が頭の片隅を過ぎる所を見る

と、  こんな組み敷かれた状況でもまだ余裕があるのかもしれない。

 いや、あるのだろうとなつきは思う。

 人は何故か我を失っている他人を見ると平静さを取り戻す事がままある。

 まさに今がそうなのだろう。

 組み敷いている当人は日頃の穏やかさを忘れ、呼吸が荒い。

 所構わずキスを降らせながら、時折血を求めるように歯をきつく立ててくる。

 その痛みが余計になつきを冷静にさせるとも知らずに。  

  獣が獲物を求める様は恐らく誰も見た事も想像すらした事無いだろう。

 自分しか知らないと思うと密かな優越感が沸く。

 食われている立場だと言うのに。

「なつき…」

 息をつく間すら惜しんで名が呼ばれた。

 体が熱い。

 火傷しそうな位、じりじりと心が焦がされる。

 静留の熱がなつきの体を侵食していく。

「なつき…なつき……うちは、あんたが……」

 繰り返される同じ台詞に優しさは無くて、愛しさだけが募っていた。

 切望して絶望して渇望した先にある、欲望。

 暗い闇の淵から叫ばれる秘め続けた本心。

 今はもう光が満ちている関係の筈なのに。

 何故まだこんなにも苦しむ瞳で見つめてくるのだろう。

「…静留」

 ゆるりとなつきは手を伸ばした。

 静留の首筋に絡め、引き寄せる。

「ここにいるから…」

 耳元で囁くと一瞬、静留の動きが止まった。

「私はここにいるから。どこにも行かないから」

 静留の傍にいる。

 暗に囁くと肩が小刻みに震えた。

次いで噛み合わない歯が無理やりすすり泣きを潰す。

 そして、押し寄せてくる情の波。

 全てを引き換えにしたような激しい情事は貪る事しか知らない。

 それでも、なつきは受け止める。

 その身を投げ出して、想いを重ねて、静留に応える。

 復讐だけを生きる糧にする闇から救ってくれた恩を返すように。

 殺し続けた想いに食われた心にもう一度光を思い出させるように。

 光を浴びた微笑が見れる日だけを願って、なつきは静留を抱きしめ続けた。 

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