まこ亜美、静なつ、夏実×美幸を中心に気の向くまま書いている二次創作サイトです。

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続・現場(舞-HiME・なつき×静留)

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『なつきが望むなら…ええよ…』 

 と、言ったものの静留の心中は複雑だった。

 惚れた弱みと言うのか。

 心の隅で望んでいたと言うべきか。

 嫌という気持ちが無い事だけは確かだ。

 むしろ喜びに近い昂揚がある。

 なのに、どこか炎が燻るような曖昧な戸惑いが拭えない。

 何がそんなに気になっているのか。

 チラチラと感じる火は煙の中で。

 その実在が捕らえれない。

 代わりにTシャツを脱ぐなつきが目の端に映る。

 ポンとベッドの下へ放り出し、素肌が空気に晒された。

 至る所に刻まれた赤い印が素肌の白さを際立たせる。

 ゆっくりと静留に唇が降りて来た。

 チュッと湿った音が立つ。

 視線が出会う。

 熱が孕んだ瞳は頬を微かに紅潮させている。

 唇が降りて来た。

 今度は音は立たず、深く重なった。

 静かに瞳を伏せ、静留がなつきの首筋に腕を回す。

 隙を探るような舌の先端が応えた。

 上唇から下唇へ。

「…ん…」

 零れた吐息に、するりとなつきが滑り込む。

 ツンと静留の先端を叩くと、頤が揺れた。

 迂回するように大きくなつきが絡み付く。

「…ふっ…」

 ねっとりした熱い感触が静留の鼻を突いて抜けた。

 舌の奥までゆるゆるとなつきが絡み、静かに身を引く。

 上顎が撫でられた。

「ん…ぅ…」

 拙いながらもツボを探る動きは一生懸命で。

 見つけた箇所を行ったり来たりしながら他を探す。

「…ふ…ぁ…ん…」

 弄ぶ気の無い前戯は長くて、知らず知らずに静留の意識を混濁させた。

 なのに、燻る惑いだけは燃え上がる事もなければ鎮火もしない。

 中央でゆらゆらと煙を上げている。

 この状況で何がそんなに気になるというのか。

 どうにも行き着けないまま静留はなつきに身を委ねる。

 ゆっくりなつきが唇を解放した。

「はぁ…」

 深く息をつく静留のぼんやりした視界になつきの輪郭が映る。

「…なつき」

 睦言のようにゆらりと湿った声がなつきを呼んだ。

「静留…」

 頬にちゅっと一つ音が立つ。

 目蓋にもキスを一滴降らしなつきは耳朶を食む。

 鈍い動きで緩いカーブを撫で上げ、裏側へと伝い降りる。

「や…っ」

 耳の奥に掛かる息に静留の肩が竦むように跳ねた。

 先刻よりも大きな反応になつきが嬉しそうに吸い付く。

 執拗に舐め上げ、齧り、嬲る。

「ちょ…な、つ…あん…」

 その度に静留の体が震え、肩が跳ね、甘い声が漏れた。

 面白いかもしれないとなつきは思う。

 日頃されるばかりで、なつきが自分からする事と言えばキスを返すくらいだ。

 それも何処で覚えたのか知れない静留の熟練された腕の前では、早々に封じられる。

 翻弄されるだけ翻弄され、

 気づいた時には言われるがままに声を上げ、されるがままに息が上がっている。

 それを今はしたいように行い、見たいままに眺める事が出来る。

 攻守が入れ替わった今初めて静留のネチッこさの理由がなつきは解った気がした。

「もっと声を聞かせてくれ」

 わざと静留の耳元でなつきは囁く。

 一瞬見開いた瞳が手の甲に慌てて唇を押し当てる。

 その手に掌をなつきは重ねた。

「良いじゃないか」

 ゆっくり外させ、顔の横に押し付ける。

「私しかいないんだから」

 お返しするように言って、なつきは微笑む。

 羞恥に染まった顔がソッポを向いた。

 唇はきっちり結ばれている。

 見届けたなつきの喉元が笑いを堪え震えた。

 挑戦するように晒された首筋へと顔を埋める。

 白い柔肌に唇を押し当て、躍動する脈の上を舌が這う。

「ぅ…ん…」

 甘い痺れに唇が結び目を緩めた。

 まずいと静留は思う。

 全てとは言わないが己のツボはそこそこ把握している。

 その一つになつきは確実に近づいていく。

 辿り着かれたら…。

 そう考えているうちに余裕が弾け飛んだ。

「あっ…はぁ…ん、ぁ…」

 吐き出された熱に唇が結びを難なく解く。

 当然のように上がってしまった声は体を密着させるなつきに聞こえない筈が無くて。

「ここか?」

 問われて集中攻撃される。

「っ…あ、あか…な、つ…」

 嫌々するように左右に振られる顔が、言葉にならない声を絞り出す。

 息が弾む度に豊かな胸が上下して揺れる。

 毀れ落ちそうに満ちた膨らみをそぅっとなつきは掌で包んだ。

 ゴムボールのような弾力にゆっくり円を描くと掌の一点が登頂に突付かれる。

 少し手をずらし指でなつきが摘む。

「くぅ…ん、あ…ぁ…」

 堪らずと言った具合に静留の足先がシーツを擦った。

 曲がった膝が身悶えする。

 だが、覆い被さる存在のお陰で思うように動けない。

 苛立ちにも似たむず痒い感覚が静留の体の芯を火照らせる。

 もう唇は結べない。

 絶え間ない浅い息が呼吸を繰り返す。

 幾度と喉を擦る甘く切ない声が、掠れて外に漏れた。

 その間に首筋から肩のラインを辿った舌はカーブを描いて鎖骨をなぞる。

 窪んだ谷間を強く吸われる。

 膨らみが噛まれ、やがて唇は登頂を薄く食んだ。

「やっ…!」

 一点の刺激が全身の血液を囃し立てた。

 静留の意識が浮いて、沈みかける。

 そして気がつく。

 何に戸惑っていたのか。

 嬉しいのに何故迷いがあったのか。

 見せたくなかったのだ。

 情に喘ぎ、熱に犯され、それでも求めて止まない淫猥な己を。

 浅ましい程に乱れる姿をなつきに知られたくない。

 必死で波打つ体を堪える静留の目尻に涙が滲んだ。

 脇腹に口付けるなつきの頭を手探りで探し当て、髪を掴み押し留めようと試みる。

 なのに、指には力が入らなくて、隙間から髪は流れて逃げた。

 なつきもそんな抗議に気づいた様子が無い。

 と、いうより余裕が無い。

 どこをどうすれば良いのか、自身はどこが良かったのか。

 体の記憶のままに実践し続ける。

 耳だけは静留の反応を聞き逃さない。

 全ては静留の為に。

 全部知り尽くしたい自身の欲の為に。

 見た事の無い一面を引き出す。

 しかしここに来てなつきは戸惑っていた。

 緩慢な動きが更にスピードを落とし、同じ場所を行ったり来たりし始める。

 細いウエストから緩やかに締まったお尻への上り坂を登りつつまた腰に下る。

 行き先は決まっているのにどこで折り返せば良いのか解らない。

「…記憶が、無い…」

 ぽそりとなつきが呟く。

 静留が至る時。

 同じような場所に辿り着く頃にはもうなつきの意識は飛んでいて、

 体は静留の物になっている。

 お陰で渦の中、必死に喘いだ記憶しかなつきには無い。

「…爪先まで行けば良いのか?」

 それはそれで有りな気もするが何かが違う気もして、なつきは眉根を顰めた。

 とは言え、よもや組み敷く相手に聞くのは気が引ける。

 立ち止まった記憶になつきの手だけが、サワサワと静留の体を縦横無尽に撫で続けた。

 薄い和紙を一枚挟むように無自覚の掌は静留の表面だけなぞる。

 その触れるか触れないかの擽りはまるで焦らしているようで。

 羞恥で涙ぐんだ静留の瞳が何時しか期待に潤んだ。

 身悶えする熱に膝が震え、爪先がシーツを乱す。

 口付けが落とされる腰に身を捩れば、なつきの髪が薄っすらと流れ刺激を強くした。

 静留の中で一本の糸が張り詰める。

 指先で軽く弾かれれば真っ二つに分かれる細い糸。

 切れれば己を止められない。

 熱のままに、情のままに、なつきを求めてしまう。

「な、つき…」

 涙ぐんだ声が呼んだ。

「ん?」

 掌が撫でるのを止め、なつきが顔を上げる。

「も、あかん…」

 目映い視界に腕を当てて、静留は浅い息を吐きながら言う。

「これ以上は…うち、あかん…」

「あかんったって…」

 そうっと静留の中心をなつきは覗いた。

 潤みきった中心はねっとりと濡れている。

 糸を引きそうな液体に、興味も重なったなつきはそうっと触れた。

「っ――!」

 ビクンと静留の腰が大きく浮く。

 悲鳴に近い声を静留は噛み締めて殺す。

「ほんま…っ…あ、かん…って…なつ、き」

 空気を求めて反芻する胸に静留の頤が上がる。

「そうは言うがこの状態じゃ…」

 指に絡んだ火照りに辛いだろうとなつきは思う。

「…静留」

 指を擦り、瞬きの間考えたなつきは、もう一度熱に触れる。

「ああっ!」

 甲高い悲鳴が上がった。

 ガクガク静留の膝が震え、崩れ落ちる。

 視界を遮っていた腕がずり落ち、濡れた瞳が整った眉を歪めた。

「か…堪…堪忍してや…」

「…静留」

 首を横に振り続ける静留をそっとなつきは抱き締める。

「その、下手だとは思うが…頑張るから…」

 宥めるように背を擦り、頬になつきはキスを落とす。

「少しだけ、我慢してくれ」

 首筋にキスしてなつきは人差し指をそうっと静留の中に埋めた。

「ああっ!やぁっ…て!!」

「熱…」

 初めて触れる他人の中は熱く狭い。

 滑る液体が無ければ入る事すらままならないのではとなつきは考える。

「なつき…ほん、ま…っ…あかん…」

 なつきに縋り、首を横に振り続けながらしがみ付く。

 張り詰めた糸が凛と音を立てた。

 競り上がる情に呼吸が喘ぐ。

 荒い息が熱を吐き出す。

 クッとなつきが指を曲げた。

「ぁ…や、くぅ…なつ、き…」

 張り詰めた静留の糸が、

「…静留」

 なつきの指に絡む糸が、

 切れた。

 どろりと熱が溢れる。

 我慢していた分だけ情が求め訴える。

「あぁ…なつき、なつき…っ…き…」

 なつきが欲しいと。

 腰が勝手になつきの指を案内した。

 浮き沈みを重ね、ゆるりと弧を描く。

「は、あぁ…くぅ…ん」

 浅い夜明けから深い混沌まで。

「…深ぁ、して…や」

 自らなつきを引き込む。

 ごくりとなつきが息を飲んだ。

 見た事の無い静留は妖艶で思わず見惚れる。

 背筋がぞくぞくする。

 体の芯が熱い。

 される時とは違う昂揚感がなつきを犯す。

 擦り寄る動きに合わせて、なつきは指を蠢かした。

 窄まった入り口を押し広げるように。

 狭い空間を掘り下げるように。

 内壁を擦り、角度を刻み、引っ掻く。

 静留から涙が零れ枕を濡らす。

 目尻を舌で拭い、なつきは唇を重ねた。

 舌を絡め取り、どろどろの熱が溢れる入り口に指を増やす。

「ふぁ!…ぅ…」

 増した圧迫感に静留の背が大きく反った。

「…つき、…そこ…」

「ここか?」

 言われるままになつきが指の腹で擦る。

「んんっ…あ、はぁ…」

 静留の足がなつきの腰に絡み、体の密着を深める。

 息苦しさになつきの片眉が上がった。

 頭の芯が朦朧とする。

 なのに情だけが花火のように弾け飛ぶ。

 熱く、高く、花を散らすように舞う。

 組み敷いたしなやかな体を綺麗だとなつきは思う。

 唇を離し、豊満な胸になつきは顔を埋めた。

「ん…あぁ…っ…ふ、くぅ…」

 舞い降りる喘ぎが耳を伝い、心を刺激する。

 されていないのに気持ち良い。

 静留の谷間で反射して返る熱すら嬉しく思う。

 額に滲む汗が愛しい。

「静留」

 静留の頬をなつきは掌で包んだ。

 薄っすらと静留が瞳を開ける。

「なつ、き…?」

 ぼんやり見つめてくる瞳にフッとなつきは微笑んだ。

 グッと指を押し込める。

「んんっ!」

 痛そうにきつく瞳が閉じられた。

 なのに、喘ぐ息は嫌だとは言わない。

 逆にキュッと指が強く締め付けられた。

 先端から奥までなつきを吸い上げる。

 遠慮を捨てて指は静留を蹂躙する。

 教えられたツボを、自分で見つけた箇所を、次いで内部全体を。

 なつきは刺激を与え続ける。

 浅い息が歯を食い縛った。

「あ、かん…うち…も、ぅ…」

「…そうか」

 終わりが見え始めた静留に少し残念そうになつきは頷く。

 静留の首に腕を回し、引き寄せて動きを早くする。

「は、あ…っ、ん…ぃ…」

 静留の身が固く縮んだ。

 ぶるりと大きく体が震え、最後の花火が大輪を咲かせ、シーツの上に散った。

 全身で呼吸する静留の体がゆらりと揺れて崩れ落ちた。

「静留!?」

 慌てて静留の顔を覗き込むなつきに余韻無く指が引き抜かれる。

 一瞬、静留が呻く。

 そんな事気にせずに静留の顔をなつきは覗き込む。

「おい大丈夫か。生きてるか」

 ペチペチと指の腹で頬を叩くなつきにゆっくり静留は瞳を開けた。

「大丈夫…言いたいけど、あかん…」

 顔の横に腕を投げ出し、大きく息をつく。

「力が、入りまへん」

 指先が痺れて動かない。

 全身は気怠く、感覚が遠い。

「起きんのも…しんどいどす…」

 ただ体の中心だけは甘い余韻に酔いしれている。

 ゆるりと静留は瞳を閉じた。

 その全身を投げ出す物腰に思う所があったなつきが顔を赤らめる。

「そ、そうか」

 それだけ言って静留の体に布団をなつきは被せた。

 自分の鼓動を落ち着かせつつ、静留の呼吸が整うのを待つ。

 額に張り付いた前髪を掻き上げ、乱れ落ちている静留の髪を手櫛で梳く。

 頬を掻き、ちょっと惑いながらなつきは静留に問う。

「その、しんどい…だけか?」

「…え?」

 億劫そうに目蓋が開いた。

「痛い、とか気持ち悪い…とか、無いか?」

 なつきが言わんとする事に気づいた静留の目元が綻ぶ。

「そないな心配せんでもええよ。ほんましんどいだけさかい」

「ならいいが…」

 如何せん意を決した行動に静留を傷つけてないかなつきは心配で仕方ない。

 素知らぬ顔で回復を待ちつつも静留の様子を何度も横目で窺う。

 しかし何を言えば良いのか解らず言葉は紡げない。

 気にし過ぎな程気に掛けるなつきに安堵して、静留は聞いた。

「なつきこそ…うちの事嫌いになってへん?」

「は?何で嫌いになるんだ?」

 心底解らないと首を傾げるなつきに頬を薄紅に染めて静留は続ける。

「うち…あないに求めてしもうたし…。呆れてたりせんのかな、と思て…」

 もそもそと布団に潜り込み、視線だけ覗かせる静留に馬鹿となつきは笑う。

「そんな事で呆れたり嫌いになったりするか」

 言って、静留の髪を優しくなつきは撫でる。

「見た事も無い静留が見れて、聞いた事も無い声を聞けて私は嬉しかった」

 悦に満ちた表情で言われ、静留は言葉に詰まった。

「そ、そうどすか…」

 どうにかこの動揺を悟られまいと思案する静留になつきは更なる爆弾を落とす。

「それに凄く可愛かった」

 嬉しそうな響きに、なつきの顔を真剣に静留は見れなくなった。

「普段からは全く考えられないからな。あんな静留は」

 初めて見た一面がよっぽど嬉しいのか。

「子供のように縋りついてねだって、震える姿なんてまず他の奴等は知らんだろう」

 饒舌に、切々と語るなつきに最早静留は口を開く事すらままならない。

「それに甲高い声も気持ち良さそうで」

 布団の中に潜り、顔の火照りをシーツでひたすら冷やす。

「泣き顔も綺麗だったし…」

「な、なつき!」

 まだまだ続きそうな情事の感想をくぐもった声で静留は止めた。

「それ以上は…言わんといて…」

 すっぽり頭まで布団を被り、隙間から覗く静留の長い髪が頼む。

 ん?と小首を傾げ、言動を振り返ったなつきはふむと頷いた。

「そうか。こういう気分なのか」

 ぽつんと呟き、不敵に笑む。

 その表情は勿論静留には見えなくて。

「なら最後にもう一つだけ聞きたいんだが」

 至って楽しそうになつきは声を掛けた。

「…何どす?」

「また可愛い静留を見せて貰っても良いか?」

「――っ!」

 それはつまり…そういう事で。

 意味を解した静留に何とも言えない表情が浮かぶ。

 そして、心に誓う。

 揶揄るのは程々にしようと。

 そんな静留に多くの新たな発見を喜ぶなつきの笑い声だけが響いた。

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